大して漕いでいないのに図々しくも『パドラーのための整体』などというコラムを書きました。

遊びの為の整体院からだ応援団

カヤックのエンジンは人間の身体。体も道具なので、壊れる理由は『寿命』か『間違った使い方』のどちらか。何であれ正しく使っていれば寿命は案外長いものです。(使わないモノの方が早く壊れるでしょ?)
全然漕いで無いへなちょこパドラーの釣りバカ整体師パンチ伊藤ですが身体の事にはちょっとだけ詳しいので、身体の正しい使い方を講釈たれようと思います。
金槌の正しい使い方が決まっているように、遊びが変わろうが種目が違おうが身体の正しい使い方は決まっています。大好きな事やって痛めたり壊したりしたくないでしょう。自分で工夫できる人もそうで無い人も少し参考にしてくれると嬉しいです。

あ、もちろんイレギュラーはあります。・・・・じゃなきゃダメって話しではありません。適当が一番肝心なのはお忘れなきよう。
キモは基本の運動ラインです。

運動ライン1

いかなる動作であろうと、正しい(というか理想に近い)動作の本質は同じです。

  • 多くの(多種の)筋肉を使う
  • 大きな筋肉を使う
  • テコを使う

この3点。

赤い点は丹田。ヘソ下三寸といわれるこの点を通るライン上で身体を動かすと、使える筋肉の種類が多くなります。筋肉の付着部を解析すれば確かな事実です。
逆に言えばこのラインから外れたら外れただけ、使える筋肉の種類はどんどん少なくなってきます。偏った筋肉ばかりに負担が掛かって壊れていくわけです。
(すでに痛みや不調を抱えている人は、このライン上では動けません)

もうひとつのライン

運動ライン2

丹田を通るラインと平行に走るライン。手を丹田上に置いた時に出来る上腕のラインがそれにあたります。丹田を通るラインほどではありませんが、肩周りを動かす際になるべく沢山の筋肉を動員できるラインです。
本来スポーツでも日常でも、動作の多くは知らず知らずこの2本のライン上で動くように出来ています。

運動ライン3

『本気で漕ぐときはパドルを立てる』
パドラーなら皆無意識にやっていることだと思いますが、このライン上でパドルを回すためにパドルを立てています。パドルを立てるとより多くの筋肉が動員されるという仕組みです。

パドリング運動ライン

パフォーマンスを最大限に、リスクを最小限に。レイシオを下げる。

より沢山の筋肉を使うためこのラインを意識しましょう。
あんまり幅広だったりガンネル高かったり(座面が低かったり)する艇だと、このラインから外れたところでパドルを回すことになるので肩を痛める確立は高くなります。そんな艇はあまり一生懸命漕がないでのんびりゆったりやりましょう。
長くて細い艇がスピードも速く航行距離も長いのは、エンジン(肉体というかズバリ筋肉)の出力が自然に上がってレイシオを低く出来るということです。

下半身も使えば筋の種類は更に増えレイシオが下がる

パドリング運動ライン

全身の筋肉をくまなく使って、テコも活きます。
ちなみにパンチ伊藤のトライデント11だと、くるくる回っちゃうのであんまり踏ん張れません。ガンガン漕ぐんじゃなく、のほほんとする艇なわけです。

トライデント11

大きな筋肉

続いてのコツは“大きな筋肉を使う”。
パドルは手に持って腕で漕ぐように思われますが、手から腕にかけての筋肉はたいした大きさでは無いのでパワーや持久力もたかが知れています。体幹(胴体)にある筋肉の方がずっと大きくパワフルなのです。

体幹にありながら直接腕の動きに作用する大きな筋肉
>>>大胸筋  >>>広背筋

肩甲骨を介して腕を動かす筋肉
>>>僧帽筋

体幹をひねる筋肉
>>>腹斜筋

大きくてパワフルな体幹の筋肉を使うには、手や腕の力をなるべく抜くこと。パドルをギュッと握っていると体幹の筋は働きません。何故かは正直良くわかりませんが、ゴルフでもテニスでも整体でもなんでも、手の力を抜くと体幹が活きてくるのは事実です。

仙骨を立てる

体幹を上手く使うには仙骨(骨盤の中心、背骨の一番下)が程よく前傾している必要があります。>>>仙骨

椅子や床に座ってもわかりますが、仙骨を寝かせてしまうと(後傾)いわゆるダラシナイ姿勢になります。体に芯がなくてヘナヘナしてしまう。しっかり仙骨を立てて(前傾)座ると、坐骨から脳天まで芯が通って軸が定まります。

パドリング仙骨立て

■丹田を支点としてテコを使う。
■全身の筋をくまなく使う。

どちらも、軸があってはじめて可能になります。もしカヤックで腰が痛いなんて人がいたら仙骨が寝ている可能性大。モモ裏の筋肉が柔軟で無いと仙骨は立てられないのでしっかりストレッチして伸ばしておきましょう
カヤックってコケない?(沈しない?)とか良く聞かれますが、仙骨が立って軸が定まっていればちょっとやそっとでは沈しません。(いちおうリジットにも乗ったことあり)骨盤周りの筋肉が硬く、仙骨を立てられない人は危ないかもしれません。真剣に遊べば仙骨は立つはず!遊びに真剣になれなくて何に真剣になれるのでしょう。

 

『もっと自由に遊べる身体を!』からだ応援団が応援します。

 カヤック面白いですよ。